新英語教育 2016年10月号p.14-15
「音声に魂を宿らせる」関連ページ

 音声に魂を宿らせる 
Give it light, hope, joy, set it free!

1. 音声に魂を宿らせるための後方支援

学習アプリのQuizletで暗記カードを作り、生徒が繰り返し暗唱練習できるよう工夫している。フラッシュカード形式で日本語と英語の音声を聞くことができる。レン・ケラーやアウンサンスーチーさんのスピーチなどを載せ、スピーチに出てくる単語もフラッシュカードで練習できるようにした。

スマホで読み上げスピードを変えることはできませんが、パソコンではスロー再生が可能。

Quizletは、小テスト前の自宅での単語練習にも使える。たとえば、ターゲットなどは、ネット上に様々なものがある。

生徒は、各自スマホで音声を聞きながら、単語カードやマッチングゲームで練習できる。生徒が登録を希望すれば、クラス作成機能もあり、どの生徒がいつ、何を練習したかが把握できる。

2. 大事な言葉は繰り返される
スピーチテキストをWordleにコピーペーストすると、何度も出現する単語が、視覚に訴えるように色づけされ、大きく配置される。

Wordleを用いると、繰り返される言葉、つまり話し手が一番大切にしている言葉が一目瞭然になる。スピーチを一瞬でビジュアライズしてくれる Wordleは、生徒がスピーチの本質を捉え、内容を理解するときの手助けとなる。


「言葉」は自分の思いを伝えるためのものなので、良い文章を暗唱し、声に出すことは、とても大切な、根源的なことであると思う。

3. 暗唱からスピーチへ

2015年1月、大阪府立高校国際関係科の発表会「インターナショナルフェスティバル」にて、新垣勉氏の"Try to Be the Only One"やスピーチを校内予選を勝ち抜いた生徒が発表した。

2年次の国際教養科のスピーチ(以前の生徒の作品集)は、「好きなスポーツ」「学校生活」といった身近なことから「震災を通して考えたこと」「世界遺産」「韓国と中国」「K-POP」など、テーマは様々。それぞれが皆に訴えたい題材を選ぶので、個性豊かな発表となっている。

4. パワーポイントやKP法を使ってプレゼン
プレゼンテーションのときに、KP法(紙プレゼン法)を用いた。1人に3枚A4の紙を渡し、3つのポイントや理由などをイラストと共に描かせた。
KP法(ポスター作成)の利点として、
@ 視覚に訴える
A ポスターを順に貼ることによって間がうまれる
B 「3つ」と限定することによって聴衆が予測しながら発表を聞くことができる
C もし英文を忘れても、ポスターがヒントになる
などがあげられる。


番外編その@ (ITC編・・・パソコンにて解説)

最近、全クラスに短焦点プロジェクターとスクリーンが整備されました。教室の隅にパソコン、教卓には教科書とワイヤレスマウスだけで授業できます。

スクリーンの差し棒は、長くて丈夫なコクヨの指示棒がおすすめです!黒板をばんばんたたいても大丈夫!?コクヨ 指示棒 サシ-2


★準備のやり方(たとえば副読本 Dual Scope の授業)
事前に左側の解説と右側のEXERCISESをワードで準備。
左側は重要事項をマーカーで色づけしたり赤字で書き加えたりしておきます。
EXERCISESは、答えの部分は白い字に変えます。ワード上では空白に見えます(右写真→)

授業では、生徒に答えを言わせたあと、正解をドラッグで黒い字に変えます。


ワードだとパワーポイントで作るよりも準備が簡単です。
英語フォントはArial Black。
日本語はHGP創英角ゴシックがオススメ。
12ポイントですが、ワード画面右下にある「画面拡大」(100%+・・・−)をスクリーンを見ながらワイヤレスマウスでドラッグ操作できるので楽チン。


番外編そのA (ローテク編・・・KP法・・・手書きの紙を貼って解説)

パソコンだけでは、スクロールすると文字が消えてしまうのでKP法を併用するといいです。
前時の復習やテスト前の復習のときなどにも、KP法は大活躍です。
KP法は、ネット上にたくさん動画があります。

白いマグネット(これがポイント!)を指示通りの大きさ(細長い短冊)に切り、A4の紙にポイントや訳を書いて黒板に貼っていきます。

ただ、後ろの席の生徒から「字が小さくて見にくいです」という声があり、現在ではポイントの重要部分はプリントでも配布しています。

また、関係代名詞の表や重要ポイント、重要例文をワードで作り、模造大の大きさに拡大印刷して、黒板に貼っています。
これも、生徒の手元用に印刷したものを適宜配布し、ノートに貼らせて、生徒の復習用に役立てています。(関係代名詞の2文を1つにするものは、黒板に2文を貼って実演(?)すると、理解しやすいようです。(→)

ICTだけでは、授業スピードが早くなりすぎて、「生徒の腑に落ちる」感覚が薄れてしまうので、生徒が前に出て黒板に書く作業や、KP法の手書きのぬくもり(?)を大切にしています。

パソコンのプロジェクターを(テレビを見るような感じで)ボ〜と眺める(→その結果頭に残らない!)ようにならないような工夫がICTには必要だと感じています。

授業でのICTは、あれば便利、世界が広がります。特に画像紹介や動画は、まさに「百聞は一見にしかず」ですよね。生徒によるプレゼン準備・発表にもICTは効果があります。ただし、あくまでも「道具」なので、「生徒にとって本当にわかりやすいか」を観点に使っていきたいモノですね!皆さん、がんばりましょう〜☆

2016年2月号の関連ページへ